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条件最悪、それでも進む――大和板紙駅伝2026

今年の大阪実業団対抗駅伝は、強い風に雪が断続的に吹きつけるなかで行われた。
スタート前から選手の肩はすくみ、コース上では向かい風が容赦なく体力を削る。
「走る」というより「耐える」に近いレース条件だったと言っていい。

 

その中で大和板紙は、2部・24位、合計1時間2946秒でフィニッシュ。
昨年は3部で14位、1時間2926秒。
部が一つ上がり、気象条件が大きく悪化したにもかかわらず、その差はわずか20秒だった。

 

1区を任された森岡健一郎は、1区(3.7km)で
昨年 1407秒(㌔平均348秒)、今年 1415秒(㌔平均351秒)。
毎日10キロのランニングを欠かさない積み重ねが示すように、今年も序盤から慌てる様子はない。
強風と雪を正面から受ける、他区間より距離の長い1区という条件下でもペースは大きく崩れず、
後続が落ち着いて走れる流れを作った。

2区の桑原拓也は、昨年1402秒(㌔平均415秒)から、今年は1432秒(㌔平均424秒)。
数字だけを見れば後退だが、レース内容は単純ではない。
強風の中で無理に前を追わず、集団の動きを冷静に読みながら淡々と区間を進めた。
結果的に、大きなロスを生まない走りとなった。

3区の増田賢人は、昨年1424秒(㌔平均421秒)から、今年は1405秒(㌔平均416秒)へと19秒短縮。
昨年は大学受験後の勢いが話題になったが、今年は少し様子が違う。
文化祭の実行委員を務めるなど、何かと忙しい中での走りだったが、
昨年を上回るタイムで区間をまとめた。

4区を走った松本健二は、昨年1428秒(㌔平均423秒)、今年は1538秒(㌔平均444秒)。
サーフィンやスノーボードで培った体幹は健在だが、
今年は波も雪も強めだった。
無理に攻めず、順位を大きく落とさないことに徹した走りは、
いかにも「板の上の魔術師」らしい判断だった。

5区には、今年初参戦の右田が起用された。
タイムは1446秒(㌔平均428秒)。
20
代、見山製紙のエースと呼ばれる存在で、
初駅伝とは思えない落ち着きぶりだった。
風雪の中でも表情は淡々。
チーム内では「新人なのに一番落ち着いている」という声もあったとか、なかったとか。

アンカーの岡田大樹は、昨年1538秒(㌔平均444秒)、今年は1630秒(㌔平均500秒)。
条件が最も厳しくなる最終区間で、
襷を離さず確実にゴールへ導いた。
工場見学案内で月に100km走る男にとって、
雪と風は想定内だったのかもしれない。

総合的に見れば、今年の大和板紙は、昇格初年度という立場に加え、悪天候と新戦力の投入という条件が重なった大会だった。
それでもレース全体は大きく崩れず、各区間で現実的な判断が積み重ねられた。
20
秒差という結果は、その積み重ねを如実に示している。
内容を伴った駅伝だったと言ってよい。